2Kよりも4Kが「暗く見える」のか。その原因を探るため、実験結果をもとに、4Kテレビを販売する大手メーカーや4K放送を担当するBS放送局の技術者、専門家ら数十人に取材した。
その結果、4Kテレビに外付けのチューナーをつけた場合に暗く見えるケースが目立つことや、これまでに販売された4Kテレビのうち相当数に上る機種で、4K映像の明るさや鮮明さを正確に表現する能力が十分に備わっていないことがわかってきた。
4K8K放送を普及・推進する一般社団法人放送サービス高度化推進協会(A-PAB)は今年5月までにコールセンターに5042件の視聴者からの相談があり、そのうち82件が「4K放送が暗い」(1.6%)との内容だったと明かしている。内訳は「民放が暗い」という相談が37件、「NHKが暗い」が8件、民放もNHKも暗いという相談は7件だった。
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東芝以外の4社は最大輝度を「非公表」
国内大手メーカー5社(東芝、パナソニック、シャープ、ソニー、三菱電機)への取材で、自社の4Kテレビの最大輝度を明かしたのは東芝のみだ(500~800nitと回答)。それ以外の4社は「非公表」だった。複数のテレビ技術者などへの取材では、これまでに販売された大手の4Kテレビの最大輝度は300~800nit程度で、実際は500nit前後の機種が多いという。
「暗さ」の主な要因が3つ
- 「最大輝度の不足」だ。
- 民放5局(BSフジ、BSテレ東、BS-TBS、BS朝日、BS日テレ)の4K放送番組の多くが2Kカメラで撮影されていることだ。
- 従来の2Kテレビがある意味で「明るすぎる」ということだ。
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国内で4Kテレビを販売する大手電機メーカー5社および4K放送を担当するBS放送局4社に取材したところ、大半の社が視聴者などから「4K放送が暗く見える」との苦情を受けていたのに、視聴者に対して、「暗さ」の原因をきちんと説明していない。そもそも輝度を非公表にしているメーカーが大半では、原因調査すら前に進まないだろう。
これでは4Kの華麗な宣伝に乗せられて4Kテレビを買った視聴者が、置き去りにされてしまいかねない。映像の良しあしは個人の感性によって違うこともあるかもしれないが、「4K放送視聴予備軍」がまだ数百万人以上いる限り、業界にはこの問題へのより正確で丁寧な説明責任が求められるはずだ。
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